映画『スタンドアップ』を観た

以前から気になっていたのでレイトショーで『スタンドアップ』を観てきた。

シネコンのロビーにはさほど大作の上映も無いのに妙に客が多かった。
良い席で観れるかな？と心配したが、この作品の観客は２０人を切っていたのでお気に入りの一番後ろの通路側の席でゆっくり観る事が出来た。

スタンドアップ 特別版

• 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
• 発売日: 2006/06/02
• メディア: DVD

この作品のストーリーは、全世界に「セクハラ」と言う言葉を広げるきっかけになった実話である。

日本でも「セクハラ」という言葉は既に浸透しているが、この作品を見る限り自分の身の周りにこれ程の酷い仕打ちを受けている女性はいないです。

日本では「意味もなく肩を揉まれる」、「お尻や胸を触られる」、「下ネタや卑猥な言葉をかけられる」等が浮かぶがこの作品の中身はそんな生易しいものではない・・・。

夫の暴力に耐えかね、二人の子供を連れて家を出たジョージー（シャーリーズ・セロン）は、故郷の北ミネソタの町に戻ってきた。父親の違う子供を連れて帰ってきた事に、町の冷たい視線を浴び、父親からも信頼をされない。
母親は子供の為には我慢して夫と仲直りする事しか言われない。
しかし元に戻るつもりは無い。
自分と子供たちを養うために働くことを決意する。

町の美容院で安い賃金でシャンプー係りをしてる時に知り合いのグローリーと出会う。仕事の悩みを打ち明けると、鉱山で働けば今の倍の収入になると勧められる。グローリーは鉱山で働いていたのだ。

鉱山で働く事になったジョージー。しかし年々仕事量が減っているうえ、女性が男の職場に来ることは歓迎されない。
男性からの敵意を剥き出しにされ、性的嫌がらせ・迫害を受けるだけでなく、子供達にまで差別を受けるハメになる・・・。

ここまでやるのか？？？と目を覆いたくなる程の迫害は日本で騒がれる内容とは全く別物である。

ジョージーは働いて自分の手で子供達を養える充実感を持つ反面、人間そして女性として辛い現実に泣く毎日。
しかし母親としての彼女は違う。
映画の中で子供達に向け「あなた達の為なら何でもする」と何度も言う。
実話なのでもう決着は付いてるのだが、観ていて応援したくなった。

この作品、セクハラを題材にしてるせいか宣伝ではすべての女性に観て欲しいと言ってるみたいだが、絶対に男性が観るべきだと思う。

印象的だったセリフ。リチャード・ジェンキンス演じる父親が組合の会議の場で放った「情けない。自分の娘が同じ目に遭ったらどんな気分だ？仲間だと思っていたが、ココに居るのは誰一人仲間ではない」

映画としてと言うよりこう言う現実があると言う意味でこの映画を観て欲しいです。

集団訴訟―セクハラと闘った女たち

• 作者: 渡会 圭子, クララ・ビンガム, ロラー・リーディー・ガンスラー
• 出版社/メーカー: 竹書房
• 発売日: 2006/01
• メディア: 文庫

少し観点は違うけど↓↓こんな作品もおすすめです。

エリン・ブロコビッチ コレクターズ・エディション

• 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
• 発売日: 2005/09/28
• メディア: DVD

 

コメント 5

こんばんは。おじゃましまっす。
TB＆コメントをどうもありがとうございました。
拝見しました！男性のご感想。
やはり皆さんに見て頂かないと 分かっては貰えないですね。
まずは“重い内容”を覚悟の上でご覧になって欲しい作品ですね。
ショックはショックでしたが 見て良かったと思っておりまする。。。
by Labyrinth (2006-01-30 01:36) 

アタイ、ＯＬの時、ホントいやらしい顔つきの課長が居た。
部署は違うのだが、有名だった・・・。
とある女子社員が言った。
「てか、あの課長、もう、存在がセクハラ！！！」
・・・。
うーん。でも、その課長、お触りとか、言葉とか、全然セクハラ的な事をしてないんだよねぇ・・・。
やらしいのは、顔つきだけ・・・。　　かわいそうにねぇ・・・。
顔つきだけで、セクハラ扱いされて、女子社員に嫌われて・・・。｡;ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ;｡うううっ

いやぁ～気の毒だった♪(ﾟ∀ﾟ)ｱﾋｬﾋｬﾋｬﾋｬ
by カボジュラ (2006-01-30 10:56) 

はじめまして～。コメとＴＢありがとうございました。
本当に酷いセクハラでしたね。私が思っていたセクハラのイメージは一変しましたです。あれはセクハラのレベルなのかな？
でも、映画は良い映画だった。みみずくさんのおっしゃるとおり、宣伝では女性がターゲットですが、男性も観るべき映画だと思います。セクハラって女性とか男性とかの問題でなく、男女間、上司部下間の問題ですものね。
by (2006-01-31 02:13) 

私、シャーリーズ・セロン大好きや。もし生まれ変われるなら、
この人の容姿になりたいと、切に願う。
この映画観てみたいと思うけども、自分が子供産んでから、
正直、虐待とか、子供がツライ目に遭うような作品は見れなくなった。
何でかって言われても、良く分からんけど、胸が痛んで、
何日も何日も、嫌な気持ちで過ごさなアカンようになるねん。
そう意味でも、この映画を観て大丈夫でしょうか？？

おすぎさん、ヨロシクお願いします。
by ミキお穣様 (2006-01-31 02:18) 

＞ミキお嬢様
誰がおすぎやねん・・・。
それはともかく、観ても大丈夫やと思うよ。
確かにとばっちりで息子が仲間はずれにされたりして辛い思いをしてしまい、
それが母親への捻くれた反抗心を生んでしまってギクシャクするけど最後には母親と息子の絆が逆に強くなるねん。
ラストは気分良くハッピーエンドです。
この映画は醜い心の持ち主と真っ直ぐな心の持ち主が戦う話やから心に残る話やからレンタルされたら観てちょうだい。
その時は感想お待ちしております。
by みみずく (2006-01-31 20:08)